必ずしも成功するとは限らない
思い切って美容整形手術を受けたのに、思うようにいかなかった・・。
美しくなれるはずが、むしろ逆の結果になってしまったとき、その心の傷はいかばかりかと思うと、ほんとに胸が痛みます。
美容整形は、医療技術の発達によって、ますます気軽にできるようになってきました。テレビのドキュメンタリー番組やバラエティ番組などでも、美容整形をテーマにしたものが増えてきていることからも、その人気のほどが伺えるというものです。
整形したことをカミングアウトするのが「潔い」と受け止められたり、本人も周囲も抵抗が薄れてきているのは事実と言えるでしょう。
しかしそれは、「表に出ているのは成功例ばかりだから」でもあるのです。
美容整形がもてはやされる裏で、手術に失敗して泣き寝入りをしている人がいることも、また事実なのです。
失敗とまでは言わないまでも、思っていたとおりにはならなかった、痛くないという話だったのに実際やってみたら耐えられない痛みを感じた、時間が経つにつれてまた元に戻ってしまったなどの例も多々あるようです。たとえそうした事実があっても、巧みに隠されてしまうのです。
こうした結果になってしまう原因のひとつには、やはり事前の話し合い(インフォームドコンセント)が挙げられます。整形手術の際、医師の説明が足らなかったり、患者さん本人がよく納得していないまま手術に及んでしまった、ということもあるでしょう。また、カウンセリングした医師と、実際の手術での執刀医が別だった、というケースもあるようです。
整形手術に失敗したらまた手術をすればいい、ではすまない話です。失敗したことによる心身のダメージは、そのケアが誰がしてくれるというのでしょうか。
目を二重にするために埋没法手術を受けたところ、糸が切れたりなどの失敗から3回もやり直した結果、まぶたはたるみ、顔面がマヒしてしまったというケースを聞いたことがあります。身体はもちろんのこと、精神的なダメージは測りしれません。そしてさらには、金銭的なダメージもあるのです。
また、たとえ手術に成功したとしても、それが100パーセント幸せに結びつくとは限らない、ということもあるのです。整形したことで、周囲から責められたり非難されてしまい、後悔するはめになってしまったケースもよく聞きます。「きれいになったね」と祝福してもらえない整形ほど、辛いことはないのです。
このように、美容整形がもてはやされる昨今ですが、必ずしもいいことばかりではないということを、やはりきちんと認識した上で、それでも手術を受けたいかどうかをよく考えて臨んでほしいと思います。